歌唱力を上達させるための『腹筋』の鍛え方
2015/11/16

「腹式呼吸でしっかり声を出す為には、腹筋を鍛えればいいですか?」
よくある質問です。
でもね、腹筋と言っても、ただ座って起き上がるのではなく、正しい姿勢でやらないと逆に腰を痛めてしまうことにもなります。
おまけに、毎日腹筋100回出来ますか?・・・できませんよね。私には無理です。(笑)
今まで何度も腹式呼吸や、正しい姿勢などについては書いて来ましたけれど、やはり声を出す時に一番意識をして欲しいのが「腹筋」です。
ですが、腹筋に筋力を付けたからと言って、確実に声をうまくだせるようにはなりません。
その腹筋の使い方というものを知るべきなのです。
目次
一番簡単に出来る!歌う為の腹筋トレーニング法
驚くなかれ・・・それは・・・「スーパーでの買い物」なんです!!!
みなさん、スーパーマーケットにはどのように行きますか?
車を運転して行く人、自転車で行く人、歩いて行く人・・・様々だと思うのですが、どれが一番健康にいいと思いますか??
もちろん、「歩いて行く」ですよね。
この理由は明らかにお分かりかと思いますが、エスカレーターに乗るよりも、階段を使う。
という感覚と同じく、どこに行くにしても、何をするにしても、身体を動かす方がいいということですね。
さて、これが一体どのように「うまく声を出す為の簡単トレーニング」となるのでしょうか。
お買い物で簡単トレーニング!
まず、歩いてスーパーに買い物に行きましょうか。
腹筋を100回は出来なくても、買い物になら簡単に行けますよね。
そしてスーパーに入ると、目の前にかごとショッピングカートがありますが、あなたはどうしますか?
あらかじめ、多く買い物をするという予定であれば、カートを使わないと重くて大変なのはわかります。
でも、買いすぎると歩いては帰れないわけですよね。
今回の設定は「歩いての買い物」な訳なので、まずここではカートではなく、かごだけを手にして買い物をスタートさせます。
ここでのポイントは「かごの重さ」
かごを持ち歩いて買い物をすると、今抱えている重さの物を持って歩いて帰らなければならないので、あんまり重くなると大変だと自分で気付けるんですね。
無駄遣いを防ぐ事にもなって、一石二鳥です。(笑)
お野菜、お豆腐、お肉、ドレッシング、ヨーグルト、牛乳、ジュース、パン、スナック菓子・・・など、かごの中身がある程度の重さになった時点でレジに向かいます。
お金を払って手持ちのバッグまたはレジ袋に商品を詰めますね。
そこで・・・「ちょっと待った!!」
ここからが一番大事なのです。
バランスに注意!
あなたはこれから歩いて帰りますね。
なので右手と左手、両方に同じ重さがかかるように、2つにわけてほしいのです。
手提げバッグであれば、同じ大きさのものでないと、持ち運びに大変なので注意してください。
レジ袋を2つもらい、左右に分けて同じ重さになるように考えて入れて行きましょう。
右の袋に牛乳を入れたら、左の袋にドレッシングとお豆腐、と言った感じです。
完璧に同じ重さにするというのは無理なのですが、要するに、均等に近い重さになるように仕分けすればいいわけですね。
そして、それを持って外に出ましょう。
今、あなたはどんな状態でそのレジ袋を持っていますか?
①左手、または右手の片方だけで2つとも持っている。
②肩に下げて持っている。
③腕に通して、下げている。
④左手、右手に、1つずつ持っている。
ここでの正解は・・・④です。
①左手、または右手の片方だけで2つとも持っている
このパターンでよく荷物を持ってしまう人は、どちらか片方だけに力がかかりやすくなっている状態。
つまり身体の姿勢のゆがみがあることが多いです。
左手では重いものを長時間持っても平気だけど、右手では無理、と言った人は特にそうなりますね。
片手だけで重い物を持っているので、うまく歩く為に、重いものを持っていない方の体重を中心から移動させて、バランスを無理矢理取ろうとしてしまうために、身体にゆがみが生じる、というわけです。
これでは、歌う時の腹筋はおろか、ステージに立ったときの姿勢まで悪くなってしまうので×。
②肩に下げて持っている
肩に下げてしまうと、身体全体で重さを受け止めてしまう感じになる為、重みを感じにくくなります。
しかし、ここでも①と同様、身体の重心を変えてバランスを取ってしまうために、身体にゆがみが生じます。
荷物を持つ事は楽でも、姿勢にはよくありません。
③腕に通して、下げている
腕に通してしまうのは、いわゆる「女子のバッグの持ち方」ですね。
これも、左右平等の重さをかけるのであればまだいいのですが、腕に掛けてしまう事で、実は腹筋に負荷を感じにくくなる
んですね。残念!
④左手、右手に、1つずつ持っている
両手に同じ負荷をかけ、その負荷を感じながら歩く。
それによって、歌う時の音の重さをつかむ、という感覚をつかんでもらうことができるようになります。
これが正解なのは、実際試して頂ければ分かりますので、是非とも何か均等の重さの物を2つ用意してやってみてくださいね。
実際にやってみよう
ポイントは、両手に持った時の腕の状態です。
両手をだらんと垂れ下げた状態で持っていると、もちろん重みは十分かかるのですが、歌う時を意識出来る腹筋の感覚は得られません。
なので、少しだけ肘を曲げてみましょう。
かなりの力が腹筋にかかりませんか?
そうなんです、肘を曲げて少しその荷物の位置を高くしてあげることで、重みがさらに加わる形となり、腹筋に働きかけてくれる、というわけです。
また、もうひとつ。
これにプラスして、背筋も意識が出来るトレーニングをやってみましょう。
今持っている荷物は、きっと、身体の前か横にあると思います。
それを、荷物を持ったまま、ぐっと後ろに反らしてみましょう。
身体の少し後ろ側へ、腕を伸ばすような感じです。
すると、今まで腹筋と腕の内側に筋肉の張りを感じていたのが、今度は腕の外側、肩、脇腹、背筋付近へと変わるのが感じられるかと思います。
いつも腹筋、腹筋と書いていますが、もちろん腹筋だけで声を出している訳ではありません。
背筋の存在も、しっかりあるわけですね。
タイトルに書いた、「簡単にうまく声を出せるようになる!身体のゆがみをも改善出来る、簡単トレーニング」実はこれなんです。
歌を歌うときには「前に重心がかかっていて、腹筋を使う」という状態。
なので、歩いてスーパーマーケットに行って買い物をし、それを実際に持って歩いて家に帰るということは、その重みの負荷を腹筋にかけて、しっかり呼吸をしながら歩かなければなりません。
まとめ
まさに『歌を歌っている感覚を無理矢理作り出している状態にしてしまう』ということになるのです。
腕の曲げ方1つ、袋の持ち方1つで、腹筋への負荷が変わります。
注意して欲しいのは、かならず少し肘を曲げて持つ、ということ。
重さに負けて、身体を反らしてしまうと意味がありません。
歩いている時に疲れて来たら、せめて重心を前に、ということだけでも意識をしてください。
または、背筋、腕の筋肉の張りを感じて、後ろに荷物の重心をずらしてみる。・・・そんなふうに、いろいろ持ち方や持つ場所を変えながら歩いてみてください。
最初は軽い物から始めてみましょう。
たとえ牛乳1本ずつでも、意識して肘を曲げて負荷をかけると、けっこうな重さを感じるはずですよ。
エクササイズにもなって、姿勢も正しくなり、身体のゆがみにも気付ける。
さあ、あなたも今日から、荷物を持つ時には注意してみてください。
簡単な事ですが、ほんの少しの意識だけで、確実に身につく簡単トレーニング。是非やってみてください!