ボイストレーニング~男性ボーカル低音編~
2015/10/30

《症状》
男性ボーカルの曲を歌っても同じキーで歌う事が出来ず、それよりさらに1オクターブ低く歌ってしまう。
絶対に音を外しているとは思えないので自信たっぷりに歌うけれど、どの曲を選んでも全て低い声でしか歌う事が出来ないので歌えるけれど熱唱出来ない。
シャウトして力の限り歌ってみたいのに、逆にストレスを感じてしまう・・・。
そんなお悩みありませんか?
お答えしましょう!
これはひとつの「癖」として考えます。
男性の低いキーでも、きちんと音の位置確認が出来るようになるとこれは解消されます。
目次
『音』の位置確認
まずは、鍵盤を用意しましょう。
左側が低い音、右側が高い音になりますね。
この低い方の[ド]と高い方の【ド】の部分が1番の重要ポイントとなります。
男性は、この二つの音を聞いてすぐに音をつかむ事が出来ない人は案外多いものですが、特にキーが低い人に取っては一番混乱する場所となります。
本来高い方の【ド】で歌わなければならない所を、低い方の[ド]で歌ってしまう為に、なんだか歌っている感じがしない、熱唱出来ない、ストレスがたまる・・・という悪循環に陥ってしまうのですね。
この低い方の[ド]と高い方の【ド】を当てられるようにすることが大切なのですが、なかなか難しいものです。
音を高さをイメージする
①低い方の[ド]と高い方の【ド】を弾いて、よく聞いてみましょう。
なんとなく音の高さが違うということがわかるかと思います。
この「音の高さが違う」「音色が違って聞こえる」ということはとっても大切な事。
イメージで言えば、階段のフロアの1階と2階では高さが違う=見える景色が違う。
ということなんです。
集中して音を聞く
②この音をいきなり当てるのではなく、まず100%集中して聞いてみましょう。
音が混乱してしまう人によくあるのは「頭で考えてしまって余計に混乱する」というパターン。
音は見えるものではありません。なので頭で考えた所で音はわからないものです。
分からなくていいのです。私にもわかりませんから。
頭で考えてしまうと、「感覚」というものがシャットダウンされます。
「あー・・・」出してみたけれど分からない・・・。
「あー・・・」もう一度出したけれど違う気がする・・・。
「あー・・・」さっきと同じになってしまった・・・。
「あー・・・」さっき出したものがどっちだったか分からなくなってしまった・・・。
そこでもう一度聞いて、よし、と言い聞かせて出してみたのはいいけれど、
「あー・・・」やっぱりどっちがどっちだかわからない・・・・・・。
それで余計に混乱して分からなくなる・・・。
結果、思っている音がどれなのかも混乱してしまうのですね。
まさに、これ、私の生徒さん達がよく陥る罠なのです。
なので、まずは「聞く」という作業に気持ちを集中させましょう。気楽な気持ちでいいんです。
「へえ~、音が違うとこんなにも聞こえ方が違うんだな~」くらいな感じでいいんです。
素早く音を出す
③思った通りの音を出してみましょう。
ここで大切なのは「頭で考えない」ということ。
考えさせるスペースを作らない為に、素早く行いましょう。
まずは鍵盤の低い方の[ド]を弾いて、その音を「あー・・・」ですぐに出してみる。
そして続いて高い方の【ド】を弾いて同じように出してみましょう。
コレが出来たら、低い方の[ド]と高い方の【ド】を弾いて同じように何度も繰り返します。
3カ所で聞く
④3カ所で聞きましょう。
この3カ所で聞くというのは・・・
「①耳・頭・口の中で聞く」
「②外から入って来た音を聞く」
「③1と2を合わせて聞く」ということなんです。
これは音痴の方の為のレッスンでは、とっても時間を費やす大事な所です。
「ん???3カ所で聞くってどういうこと?」・・・詳しく説明しますね。
声を出す時に最初に取る行動としては・・・
1、まず耳で音を聞く。
ですよね?そして・・・
2、聞いた音を頭の中で理解して、それを声を出す前に伝達して音を作る。
この時、私達は無意識に頭の中、つまり口の中でまず音を聞き取っています。
これは第三者には聞こえないもの。つまり本人だけが聞こえるものなのです。
3、口を開けて音を口の外に出す。
口から外に音が出た瞬間に声となり、第三者に聞こえるようになります。ということは、
4、口から外に音が出た瞬間に声となった音を、耳の外から聞く。
ということになりますよね?
自分が出した声、音を耳の外側から聞いて頭の中に取り入れるからこそ、それが何の言葉なのか、どんな音なのかを判断出来る訳ですよね。
この状況から、さっき書いた
「①、耳・頭・口の中で聞く」
「②、外から入って来た音を聞く」
「③、①と②を合わせて聞く」
ということを噛み砕いて説明すると、
①「耳・頭・口の中で聞く」
・・・耳で聞いて、それを音として作り出した時に、頭の中、口の中、耳の中で感じること。
②「外から入って来た音を聞く」
・・・口から外に音が出た瞬間に声となった音を、耳の外から聞く。
③「①と②を合わせて聞く」
・・・自分にしか聞こえない、耳の内側で聞こえる音と、耳の外から入ってくる音を一致させる。
・・・となります。
まずは聞いた音を納得させましょう。
こうして耳を慣れさせて、低い方の[ド]と高い方の【ド】がつかめるようになったら、少しキーが低めの楽曲を選んで歌うようにします。
または楽曲のキーをリモコンで下げても大丈夫です。
そして、正しい高さの音をつかんで歌えるようにしていきましょう。
最初は声がひっくり返ったり、裏声になったりして、とっても大変かも知れません。
ですが、音の高さに自分が合わせられるようにならないと、歌声の本領発揮は出来ません。
頑張って音に慣れてくださいね!!!