カラオケ上達の基本!声の響き方を理解しよう
2015/10/29

いちばん出る低音からいちばん出る高音まで、目一杯出る範囲の音のことを「音域」と言います。
この音域は、人によって違います。その出る音の高さの響き方も全く異なります。
この音の響きを見つけて行きましょう。
声の響く場所と響き方
声は「声帯」と呼ばれる粘膜の振動によって生まれます。
この声帯は、脳の指令によって自由自在に動く事が出来るカーテンのようなもの。
音の高低によって、カーテンのひだを伸ばしたり縮めたりして音の高さを調整し、カーテンの隙間を大きく広げたり閉じたりすることで、そのカーテンの隙間を通る空気の量をコントロールしたりします。
つまり、強い風が吹けばカーテンは大きくなびき、弱い風が吹けばカーテンは静かになびく。
そのなびき具合を振動と例えます。
このカーテンのひだの幅や開き方によっておこるカーテンのなびき方、つまり、その振動を身体が感じることになると言う訳ですね。
では、その声帯カーテンの様子と、振動との関係を説明して行きましょう。
まず、胸にやさしく手を当てて「あー」と声を出してみてください。
①普通の声での響きかた
無理のない普段の声で行ってください。
胸に添えている手に、振動が伝わり、胸がしっかり響くのが感じられると思います。
声帯、すなわちカーテンが半分くらい閉じていて、半分の密接したカーテンがこすれ合ってなびいている状態。
そのこすれ合っている振動が胸に伝わっている、ということです。
②低い声での響き方(低音)
低い声で同じように声を「あーー」と出してみます。
先ほどの①(話し声くらいの高さの声)と比べると、その響き方や響く場所はどうでしょうか?
どちらがよく響きますか?
A:①自然な話し声くらいの高さの声の方が強く響くように感じる
B:②低音の方がよく響くように感じる
C:どちらも変わらない
正解は???
「B」なんです。
低音の場合、声帯のカーテンのひだの幅が広がって、しっかりカーテンが閉じます。
そのぶん、カーテン同士がこすれ合う面積が多いのでよく響くのです。
ですが、カーテンは閉じているので空気の通る隙間は少い。
そのため隙間を通過する力は全く必要ありません。
少しの空気で、カーテンがバタバタなびいている感じ。
そして響く場所も、①の声より少し低く、奥まった位置で響く感じがすると思います。
③ファルセット(裏声)での響き方
では、今度はもう一度胸に手を当てて「あーーー」とファルセット(裏声)を出してみましょう。
先ほどと比べてみてどうでしたか?どちらがよく響きますか?
A:①自然な話し声くらいの高さの声の方が強く響くように感じる
B:②低音の方がよく響くように感じる
C:どちらも変わらない
D:全く響く感じがしない
正解は???
「D:全く響く感じがしない」なんです!!!
ファルセット(裏声)の場合は、声帯、つまりカーテンが全開で開いている感じなのです。
カーテンが全開で開いているから、風通りが非常にいい。
だからファルセットを使うには、たくさんの空気を必要とします。
その空気だけでカーテンがしっかりなびくため、カーテンがこすれ合わさる必要がない訳です。こすれ合わさる面積がなければ、振動はない。というわけですね。
まとめ
声は、声を出す高さ・種類によって、声帯の形を変え、空気の量を変えて出てきます。
しかし、その声帯の動きだけでは声は出ません。
声は、腹筋で空気を押し出して声帯を通過させる時に出来る。と以前もお伝えしましたが、結局その空気を押し出すのに一番必要なのは「腹式呼吸」なのです。
だから、きちんとした歌い方をするには、基礎中の基礎でもある「腹式呼吸」をきちんと理解すること、であるわけですね。
その腹式呼吸でもたらされる空気をうまく使い分けて、いい声を出す。
結局は腹筋のなせるわざ、と言えるのかもしれません。