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ボイストレーニング-腹式呼吸マスターを目指して-

      2015/12/17

前回の記事では、簡単なブレストレーニングをご紹介しました。

 

ボイストレーニングの方法はいろいろありますが、腹式呼吸をマスターするためには『ロングブレス・トレーニング』が一番効果的!

まずは、基本のブレストレーニングをしっかりマスターして、ロングブレストレーニングに入っていきましょう。

 

ロングブレス・トレーニング

 

ロングブレストレーニングは、基本のブレストレーニング

①鼻から大きく息を吸って、5秒止めて、鼻から吐く
②鼻から大きく息を吸って、5秒止めて、口から吐く
③口から大きく息を吸って、5秒止めて、鼻から吐く
④口から大きく息を吸って、5秒止めて、口から吐く

を、ちょっと進化さっせたもの。

まずは、どれだけブレストレーニングが出来てるかテストしてみましょう。

 

何秒間息を吐き続けられますか?

どれくらいの時間、息が吐けますか?を調べるためのテスト。

 

まず普通に立ってみて、腹式呼吸を意識して深呼吸をしましょう。

そして大きく息を吸い込んだ所で、自分のタイミングで息を吐いて行きます。

 

息を吐くときは、ガス漏れの音を作るように「スー」の空気音を口で作ります。

噛み締めている歯を少し浮かせて、前歯の隙間から空気だけを吐き出して「スー」の音を作るのです。

こうする事によって、適度な圧力が腹筋にもかかって腹式呼吸が意識しやすくなります。

 

あなたは何秒間、この「スー」を続ける事ができますか?

 

「10秒以内の人」

息を吐きすぎているかもしれません。
もちろん大きな口を空いていたり、歯の隙間から空気を吐き出しすぎたら空気はあっという間になくなってしまいます。

コツは、腹筋に少し圧力がかかるかな、くらいのところで吐く事。本当にガス漏れの音に近いくらい、小さな音でやるのがポイントです。

 

「20秒以内の人」

よく頑張りました!!!けっこう苦しかったですか?ですが腹式呼吸を完璧にマスター出来るレベルまでは後少し!

あと5秒、頑張ってみましょう!

 

「25秒以上」

おめでとうございます!

腹式呼吸マスターレベル、達成です!!!

しっかり息を整えてもう一度、集中してやると30秒は軽く行くかもしれません。

 

ただ長ければいいと言う訳ではないので、次はこの25秒~30秒間の空気がぶれないように、一定の空気を吐き出せるようにやってみてください。

自然と腹筋の力もつくはずです!

 

これが出来たら、腹筋と下半身をフル活用して腹式呼吸をマスターしていきましょう。

 

腹筋と下半身の使い方

さて、息を吐くテストをした所で、ひとつ注意点が。

 

息を吐いた後、息が止まる直前はAとBのどちらの状態でしょうか?

A:息を吐く音が聞こえなくなった時点で、息を吸った。
B:息が吐けなくなった時点で、息を吸った。

 

A:と答えたあなた

息を吐く音が聞こえなくなった後に息を吸ってしまうと、息を吐き切る力を出し切らずに、息を吸ってしまうので、腹筋の威力が発揮出来ません。

 

B:と答えたあなた
息を吐こうと努力している間、大きな力が腹筋にかかっていたと思うのです。
それはとても大事な事です。さてその時、まだ吐こうとし続けましたか?

 

腹筋の威力を発揮させよう

肺の中にある空気を押し出そうとして「スーッ」と息を吐き出してもらいましたね。

「スーッ」の音は15~25秒くらいでだんだん聞こえなくなって行きます。

 

Aのように、ここですぐに息を吸ってしまうと、一番肝心の「腹筋の威力」が発揮できないままになってしまいます。

 

そこでBのように頑張って息を吐きます。

が、そこでもうあと一段階頑張って「吐く息がなくなっても」吐いて見ましょう。

 

すると「スーッ」という音が聞こえなくなってから数秒間、息は出なくとも、腹筋を振り絞るような力が腹筋と下半身にかかります。

 

下半身は身体を支えようと必死になります。

限界まで耐えたら、身体の力を抜いてみましょう。

 

きっと驚くほどの空気が胸のタンクを通過してお腹のタンクに自然と入り込んでくるのが実感出来るかと思います。

その時には、体全体で空気を欲しているため、喉を通過するときの音さえ聞こえてくるかもしれません。

 

お腹のタンクで空気を受ける

分かりやすく言えば「お腹のタンクで空気を吐いて、お腹のタンクで空気を受ける」と言う事。お腹で吐いて、お腹で受けると、腹筋をしっかり使います。

 

その腹筋を支える為に、下半身も踏ん張ります。

これが歌を歌う時に大事な「腹筋と下半身の使い方」なんです。

 

これが感じられたら、テスト編でやった「ロングブレス・トレーニング」をもう一度やってみましょう。

きっと、さっきよりも数秒長く、息を吐き続ける事が出来るはずです。

 

この「お腹のタンクで空気を吐いて、お腹のタンクで空気を受ける」ことで、
下半身の力をふんだんに使って「声」「音」という「おもり」に耐えられるようにします。

 

 

声と音の重さ

先程説明したように、最後までしっかり息を吐ききってからお腹で空気を受けます。

そこでお腹に空気が十分入って来たら、息を5秒間止めましょう。

 

吐ききった後の苦しさから解放され、お腹のタンクで空気を受け取ったものに、キュッとふたをする感じです。

 

そして5秒間息を止めたあと、もう1度「ロングブレス・トレーニング」をやって、もう一度お腹のタンクに大量の空気を取り込み、5秒間息を止めます。

 

これを2~3回、インターバル・トレーニングの要領でやってみましょう。

腹筋と下半身の力をかなり使うはずです。

 

例えば、重いものを持ち運ばなければならない時、あなたは一瞬、息を止めてそれを持ち上げませんか?

せーの、と意気込んで息を止め、持ち上げた瞬間にやっと息をしますね。それと同じ原理です。

 

「声」「音」というのは目に見えません。

また、重さは持ち上げてみないとわかりません。

ここまでやってきたトレーニングは、音の重さは一切かかっていない空気の重さだけです。

空気を吐き出す時に必要な重さ、空気を受け取る時に必要な重さ、というのを身体に覚え込ませるのが目的です。

 

声の種類

実際の「声」に「音程」を乗せると、音の高低、または声の種類によって重さは変わります。

例えば、静かな声でやわらかく声を出す場合と、大きな声で力強く声を出す場合とでは聞こえる声の太さも波長も違いますね。

 

それぞれ出す声の大きさ、太さ、音程の高さによって腹筋にかかる圧力は変わり、それを支えようとする下半身の踏ん張る力も変わる、という訳です。

 

声は、大きく分けると2種類に分ける事が出来ます。

やわらかく、空気をたくさん使って声を出すことを「ファルセット=裏声」と言い、

大きく、力強く、太い声を出す事を「フルボイス=地声」と言います。

これらについては、もう少し後で説明をして行きたいと思いますが、どんな声をだそうと、使うのは腹筋と下半身だけなのです。この力の入れ方をマスターして、いろんな声を自在に、巧みに扱える事になればいいという訳ですね。

 

次回は、ボイストレーニングの基礎でもある『リップロール』をご紹介します。

リップロールは、音の『重さ』を感じる事が出来、腹式呼吸をマスターするための大事なトレーニングです。

 

ぜひ、挑戦してみて下さい。

 - ボイストレーニング, 腹式呼吸