Miracle-Voice

プロのボイストレーナーが『歌』についていろいろ書いてます♪

リップロールで正しい歌い方を身に付けよう♪

      2015/12/14

 

前回までは空気の重みだけだったので、ここから「音」の重みを取り入れて行きたいと思います。(前回の記事↓)

 

リップロールは、基本的なボイトレ方法ですが効果抜群!

リップロールをマスターして、歌の正しい歌い方を身に付けましょう。

 

リップロールとは?

 

まず、唇を軽く閉じます。

この時、唇には力は入れすぎないようにしてください。

 

そして口角に力を入れて、音を吐き出しながら唇を「ブルブルブル・・・」とふるわせます。

音の高さは、普段の話し声程度で構いません。

 

みなさん、うまくできますか?

出来る人は、この音を10秒間きれいに保つことが出来ますか?

 

「全く出来ない!」って方は、口角部分を両手で軽く押さえてやってみましょう。

または音をつけずに空気だけではどうでしょう?

 

「出来るけれど一瞬で終わってしまう、または5秒以内」って方は、時計を見ながらまずは10秒間出来るように頑張ってみましょう。

 

「とりあえず10秒間出来る」って方は、この10秒間は、きれいに音を保てましたか?

低音、高音(ファルセット=裏声)、強音(フルボイス=地声)ではどうでしょうか?

 

リップロールの効果

 

このリップロール、歌を歌う人であればいかに原理的で大切な事かご存知だと思います。

シンガー(ボーカリスト)がウオーミングアップをする時には、たいていいろんな音の高さでリップロールをします。

 

このリップロール。

 

自然と腹筋に力がかかる、腹式呼吸の状態が保てるのです。

 

笛を吹く時や風船を膨らます時をイメージしてみてください。

腹筋に自然に力がかかり『完全な腹式呼吸の状態』です。

 

これと同じ原理で、音をつけながら腹式呼吸の状態を保てる、まさに「正しい歌の歌い方」の身体の状態が作れるという訳です。

 

リップロールを10秒間きれいに保つということ

 

乾電池で扇風機が動いてくれるとしますね。

 

真新しい乾電池を入れると、扇風機がよく動いてくれます。

この乾電池の力を、腹筋の力に例えてみます。

 

「リップロールが一瞬で終わってしまう、または5秒以内」の人の場合は、乾電池が一瞬~5秒間で消耗する、ということです。

 

これに対して「リップロールは10秒間出来る、でも音がきれいに保てない」という人は、とりあえず扇風機は10秒間は回ってはいるけれど、回る速度が早くなったり遅くなったりして安定しない、という事になります。

 

そう、腹筋の力がいかに自分でコントロール出来るか、ということなんですね。

 

このリップロールを「どんな高さのどんな音でも10秒間きれいに保てる」事が出来れば、腹式呼吸が理解出来て来た。といってもいいでしょう。

 

しかし、このリップロール。
練習しすぎると唇の感覚が麻痺しますので、やり過ぎにはご注意を!!!

 

リップロールのコツ

 

きれいに出来ているかどうかよくわからないと言う人は、携帯電話やボイスレコーダーを使って、自分のリップロールを録音して聞いてみましょう。

 

きれいに出来ているつもりでも、録音したものを後から聞くと音量がまばらだったり、まっすぐになっていなかったりするものです。

 

まっすぐにキープすることは、けっこう集中しなければならないのです。

わかりやすく言えば、水が満タンに入ったバケツを持ち上げて、呼吸しながら水がこぼれないように持っていなければならない。と言った感じでしょうか。

 

腕で支えるのではなく、そのバケツを腹筋で持つ。

 

それを意識して、口から吐き出す『空気』と『音』を腹筋で押し出してみましょう。それがリップロールの音をキープするコツです。

 

それが出来たら応用編として、音程をいろいろ変えてやってみましょう。

 

音程を変えるリップロール

 

・低く、きれいに出せる低音を10秒間キープする。
・高めの音をファルセット(裏声)で、やわらかく出して10秒間キープする。
・フルボイス(地声)で大きく声を出して10秒間キープする。

それぞれに空気と音の重さが違うので、腹筋の力加減が感じられるはずです。

特に、ファルセットとフルボイスでの10秒間は、少し難しいかもしれません。

 

この10秒間をまっすぐにキープする事が出来るようになると言う事は、実際口を開けて出す音、つまり歌おうとするひとつの音を、きちんとキープ出来るという事です。

また、歌をうまく歌うために必要な「ビブラート」がきれいに付けられるようになる。という事にも繋がります。

 

プロのボーカリスト達が、ステージで歌う本番前には、完璧に声を出せるようにしっかりとウオーミングアップをするものですが、このリップロールはそのウオーミングアップにもよく使われます。

それは腹筋の動きをしっかり意識出来て、なおかつ空気と声の重みを把握出来るもっとも簡単な方法だからです。

 

 

 - ボイストレーニング