上手く歌うためには自分の声を知る事が大切。
2015/12/17

ここまで、基礎的なことをはじめ、いろんなことを書いて来ました。
もちろん、歌い方を学ぶ事は大切ですよ。
ですが、技術面を磨く前にまず知って欲しいのは、
「今のあなたの歌い方」や「いい癖」「悪い癖」そして「あなた自身の歌声」なんです。
それを受け入れることからはじめてみましょう。
目次
自分の声(歌)を知る
これはとっても簡単。
それは・・・「自分が歌っているものを録音して聞く事」です。
今では、常に持ち歩く携帯電話やスマートフォン、iPodなどにも録音機能がついていたりするし、家電量販店でも、小さなデジタルボイスレコーダーが低価格で売られていたりするので、誰でも録音することは簡単ですよね。
録音前の初期設定
聞きやすく録音する為に、音量をきちんと調整しましょう。
カラオケのボリュームは、大きすぎると音がひび割れてしまうので、せめて18~25あたりまでにしてください。(カラオケの機種によっても変わりますので、ご注意下さい)
そして、いつもならマイクを使ってエコーを入れて歌うと思いますが、録音する時には、マイクを使わずに歌ってください。
「え?マイクなしで歌うの?」と思ったアナタ!!!
そうなんです、マイクを使ってしまうと、実際の自分の歌声がマイクのボリュームやエコーによって誤摩化されてしまうのです。
だから、自分の声と100%向き合う為には、マイク無しで勝負して欲しいのです。
だからこそ、カラオケのボリュームも、18~25あたり、と小さめな訳ですね。
そして、もしもそのカラオケで設定が出来るのであれば、歌う時には1つだけある設定をしてみてください。
それは「ガイドメロディを消す」こと。
これで、あなたの歌声だけがしっかりと聞こえるようになります。
カラオケをセットしたら、手持ちの録音機能を使って録音スタート。
自分の声を聴いて分かる4つの特徴
歌い終わっても、最後の楽曲が消えるまで、きちんと録音してくださいね。
一度歌い終わったら、部屋の音楽を消して、さっき録音したばかりの自分の歌声を集中して聞いてみましょう。
自分の歌声だと思って聞くのではなく【あくまでも第三者の立場に立って聞く】ということがポイント。
つまり、その録音された歌声を聴いて『あなた自信がどう思うか』ということなんです。
よっぽど自意識過剰な方、または音感のない方ではない限り、歌のうまい、下手、という部分は聞いた瞬間わかるはずです。
自分の歌を聴いて歌声を客観的に、ジャッジしてみて欲しいのです。
まず一番メインに聞き取って欲しいのはこの3点。
・音程は取れているか
・リズムは大丈夫か
・歌詞(言葉)ははっきりと聞き取れるか
これらが、きちんと出来ていれば、違和感なく聞けるはずです。
聞いてみて、いかがでしたか?
「これが私の声?別人みたい」と思ったアナタ。
あなたの声をまず受け入れてみましょう。
声とは、外に出て行くもの。
それを聞いているのは、アナタ以外の全ての方です。
自分で聞いている声というのは、耳の内側から響いてくるものと、喉、耳、頭からの振動と、一度外に出た音を外側から聞くもの、の3つが重なったものです。
もちろん、身体の内側からの振動が大半となる為、外に出て行く声とは違って聞こえます。
「音程がずれている気がする」と思ったアナタ。
あなたが知っている音程は、正確なものですか?
もう一度、その歌をおさらいして、音程をたどってみましょう。
また、音程は正確に知っているつもりだけど、録音した歌声を聞くと、微妙にずれていると感じる場合は、歌う時の音を当てる際に、誤差が生まれています。
正確に歌う為には、まずそれらの音をきちんと当てる為に、練習が必要ですね。
「リズムがなんとなくおかしい気がする」と思ったアナタ。
よくあるのは、実際のリズムよりも早く歌ってしまっている、ということ。
これを「リズムを走る」と言います。
気持ちが焦り、歌おうとする気持ちが強く前に出る為に、どうしても声を早く出してしまうんですね。
このようにリズムを早く取ったものを聞くと、落ち着いて聞く事ができず、聞いている人に違和感を与えてしまう、ということになります。
特にテンポの早いものを歌う時、またはキーが高いものを歌う時には、早く歌ってしまいがちです。
気持ちをどっしり構えて、ゆっくりと歌うように心がける事が大切です。
「言葉がはっきり聞き取れない」と思ったアナタ。
この場合には、いくつかの原因が考えられます。
まず、「口をきちんと開いていない」場合、
もちろん頭ではきちんと言葉にしているつもりでも、実際口から外に出た時の音が、きちんとした言葉になっていない、ということはよくあります。
最初の頃に書いた「歌う前のストレッチ」で、「あ、い、う、え、お」と大きく口を開けて口の周りの筋肉をほぐすストレッチをご紹介したと思いますが、それに近いくらい大きく口を開けていますか?
そんなにどでかく開ける必要はありませんが(笑)
きちんと「あ行」なら「あ」の口の開き方を、「お行」なら「お」の口の開き方をして欲しいのです。
頭で意識する時には、誰でも口を開ける事は出来ます。
ですが、歌う時にはそれが出来ずに、案外口を開けずに歌う人は多いものです。
これを確認するには、鏡を使うのが一番。
歌う時に、鏡に映る自分の口元を見ながら歌ってみましょう。
難しい事ですが、口の形が「い」になっていれば、きれいな「あ」は出せるはずがないのです。
そしてもうひとつよくあるパターンは、
「口は開いているけれど、口の中に母音がこもってしまう」という場合。
日本語では多くの文字がありますが、実際に口の外に出て、メインとなる音を作る音は、母音である「あ、い、う、え、お」の5文字だけです。
例えば「か」であれば、「か」は子音で「あ」が母音となるわけですね。
これらの子音と母音をうまくつかんで、母音を押し出すことが、きちんとした歌い方になるのです。
これらがうまく出来ない場合、口の中で母音が吸収されてしまったり、逆に喉の奥に響かせてしまったりして、言葉がこもってしまって聞こえなくなる。ということが考えられます。
自分の声に、こんなふうに客観的に向き合ってみると、いろんな発見がありますね。