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歌の【表現力】を身に付ける!課題曲の歌詞から想像力をつける

      2015/10/30

 

前回の項目『課題曲の選び方とその準備』で、歌詞を書いて歌詞の内容を理解することの重要性を書いて来ました。

ここでは、それを応用して、実際に自分でストーリーを作り上げて行きたいと思います。

 

まず、あなたの選んだ曲が「バラード」で「大好きな相手に愛を伝えるラブソング」だとしますね。

 

ラブソングであれば、「あなた」や「君」などの対象者が登場するはずです。

なので、この歌詞をあなたが書いたものだとイメージしてみてください。

そうすると、このストーリーはあなたのものになります。

 

 

イメージを広げて『表現力』を鍛える!

 

「あなたがそこにいてくれたら、それだけでいい・・・」

こんな歌詞があるとしますね。

 

これを使ってイメージを広げてみましょう。

この場合での「あなた」とは、すなわち、あなたが愛する男性、または女性のこと。

 

あなたは今、恋愛をしていますか?

 

恋愛中の方も、そうでない人も、そこをイメージする事はとっても大切な事。

 

「あなたがそこにいてくれたら、それだけでいい・・・」実際のこれだけの短い言葉の中に、どれほどの意味があるかを深く追求してみましょう。

 

あなたと出会えて、私の毎日が変わった。

毎日とっても幸せだ。

そんなあなたの近くにいる事が出来て、私はなんて幸せなんだろう。

私は、あなたの為になら、どんな事でもしてあげたい。

力になりたい。

支えてあげたい。

あなたの笑顔が大好き。

あなたの優しさに触れる事が出来て、それだけで私はとてもあたたかい気持ちになる。

あなたに、何か特別なことを望んでいる訳ではない。

あなたが笑顔でいてくれる事が私の幸せ。

あなたに、いつも側にいて、私をただ見守っていて欲しい。

でも、私のことを気にかけて欲しいと思う。

私の事をもっと愛して欲しいと思う。

だからこそ、私はもっと頑張って行きて行く。

私はもっといい人になって、あなたに誇りに思ってもらえるようになりたいと思う。

そしてもっと私達はいい関係で・・・・

 

・・・ここまで思いつくまま書いてみましたが、この「あなたがそこにいてくれたら、それだけでいい・・・」という文字以上の、いろんな気持ちが入っているのをご理解いただけるでしょうか?

 

一言で表す事が出来る以上の感情があれば、それを深く表現が出来るのです。

 

それが「歌の表現力」となって行きます。

つまり、「感情表現を豊かにする」ということですね。

 

もっと分かりやすく説明してみましょう。

 

例えば、

「絵の具を使って、赤いりんごの絵を描いてください」という課題があったとしましょう。

 

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● Aさんは、赤の絵の具一色だけをパレットに伸ばし、それだけでりんごを描きました。

 

● Bさんは、赤の絵の具一色と、水を使って、濃さを薄さを調整しながらりんごを描きました。

 

● Cさんは、赤、茶色、黄色、青、黒、白、緑など、多くの色を少しずつパレットに出し、それを使い分けながら、りんごが     日に当たっている部分から、陰の部分、そして茎や小さな傷まで、細かく描きました。

 

・・・いかがですか?

上記の説明だと、どのりんごが一番美味しそうに、より本物のりんごのように、伝わりますか?

 

もちろん、Cさんが描いたものですよね。

 

絵の具には実際「赤」があります。

この赤の絵の具一色だけを使って、絵を描いたAさん。

 

手間もかからず、簡単で、課題の「赤いりんごの絵」にしっかり当てはまります。

なので、決して間違いではありません。

 

ですが、見た感じは、一体どうでしょうか。

赤のみの一色で、どこまでその「りんご」の美味しさを伝えられるでしょうか。

 

ここが重要なんです。

 

たかが赤いりんご。

ですがその赤いりんごを相手に伝える為には、【いかに自分がその赤いりんごをしっかりイメージ出来るか】ということなんですね。

 

どんな赤であるか、ということだけでも、多くのイメージ力が必要だと思います。

 

色で表現をして誰かに見せる事が出来れば、あなたの伝えたい赤がどんな赤であるのか、どんな形のりんごであるか、分かってもらえるのは簡単です。

 

あなたがしっかり描写出来ていれば、ああ、こんな大きさで、こんなみずみずしいのね、こんな傷があるのね、こんな光沢があるのね・・・という具合ですね。

 

ですが、歌声だけでは、色を表現する事はとっても難しいことです。

どんなにそれが深い赤で、光が当たればどんなふうにきれいで、そこにある小さな傷からは、あふれんばかりの香りが放たれていて・・・などなど、とにかく多くの説明が必要です。

 

少ない言葉で表現をするのはとっても難しい。

 

それが、すでに決まっている歌詞があって、それを歌詞以上に伝えなければならないのなら、なおさらです。

 

ラブソングの場合は、その愛をあなたがより深く感じてあげなければなりません。

 

歌詞の中によく使われるフレーズ、「I love you」の英語の歌詞。

この意味は皆さんご存知ですよね。

「I love you」 =「愛しています」ですよね。

 

ですが、この「I love you」にも、いろんな意味があるのです。

 

例えば、

1回目のサビに使われた「I love you」

そして2回目のサビにも「I love you」

最後にもう一度「I love you」と使われている場合。

これらの「I love you」は全て同じ意味でしょうか?

 

答えは「NO」。全然違いますよ~。

 

もしもあなたが今、恋愛真っ最中だったとしましょう。

あなたの感情から想像しても、「愛している」「大好き」という「好き」の度合いは、毎日、時間によって、あなたの気持ちによって、全く変わりませんか?

 

数ヶ月前よりも、先月の方が、また、先週よりも、今日の方が、相手のことを思う気持ちがより深くなっていませんか?

めっちゃ好き、大好き、本当に好き、好き過ぎてたまらない、本当に愛している、深く愛している、強く愛している、苦しいほどに愛している、たまらなく愛している・・・

 

日本語で表現するにしても、多くの言葉を使う事が出来ますね。それです。

 

あなたの「I love you」を、より深く、より熱く。

 

1番、2番、3番のそれぞれのフレーズの中に入っている「I love you」にも、それと同じように温度差をつけてみましょう。

 

口では「I love you」の歌詞ですが、想像力を働かせて、頭の中で、心で、身体で、しっかり気持ちをイメージする。

 

そうすることで、あなたの歌詞がもっと動き出します。

歌詞の大切な神髄に触れて行く事が出来るようになりますよ。

 

 - ボイストレーニング, 表現力